安川十郎「健康寿命が長い」「平均寿命と健康寿命の差が少ない」ことを誇れる地域にするのが私の夢です。

変わり者の記(1)

  • 2024.09.30

 たぶん私は「変わり者」で。でも、それを自覚して、人前では常識的に振る舞えるので「変人」には届かないのだと思います。
 自分が変わり者だと実感するのは、「変わってますね」と言われて「イヤそれほどでも・・・エヘヘ」と喜んでしまうとき。また、定番の問題提起に、人と違う意見が湧き上がってくるとき。

 よく話題になる「1円でも安い食材を探してスーパーを回ることは意味があるのか?」「1円でも安いガソリンを入れるために遠出することに意味はあるのか?」問題。
 だいたい、次の意見にまとめられると思います。
 1.時間、労力、費用対効果から考えるとマイナス。
 2.より安いものを手に入れた達成感や、倹約している感じを楽しんでいる。あるいは、サイクリングやドライブが気晴らしになっている。
 おおむね「節約になっていない」vs「娯楽でやってるんだから放っといて」の対立構造です。

 私の意見は「意味はあるけどその行為に反対」です。
 なぜならば。
 「少しでも安いものを遠出してでも手に入れようとする人々の存在が、値下げにつながっている」から意味はあります。販売側からすれば、「少しでも価格を上げるとと他に買いに行かれてしまう、少しでも安ければ遠くからでも買いに来る」客がいるわけですから、価格抑制の圧力になります。なので私も昔は「そんな人たちが頑張ってくれてるから安いモノが買えてラッキ」ぐらいに考えていました。
 しかし。

 私は経済学者ではないので、簡単に論破されるかもしれませんが。
 「安さ重視」の経済活動ではジリ貧な気がします。
 通販サイト、ネット検索では、まず安価であることが最優先です。その場合、「ちょっと材料にこだわって良いモノを作ろう」「より良いサービスを取り入れてみよう」と試みるのは難しくなります。できるだけ安い材料で、可能な限りシンプルに、人件費は最低限で・・・こんな商品・サービスが蔓延してしまいます。
 そして、安さ勝負では、量販店・チェーン店が圧倒的に有利です。例えば「新しい風味のビールを作ってみよう」「地域の特色を取り入れたサービスを提供してみよう」と考えても、価格競争でしか争えないなら勝ち目がありません。そして、量販店・チェーン店がさらにその勢力を広げるためにすることは更なる価格競争であり、独占状態でやりやすくなるのが「仕入れ値」「人件費」のコストダウンです。
 結局、みんなで作ってみんなで使っているのですから、安いものを買うということは、安く使われるということです。もちろん、制度やら相場やら政策やら情勢やらが絡み合って、そんな単純な話ではないのですが。
 「1円でも安い卵を買いに隣町のスーパーまで行く行為は、節約になっておらず、にもかかわらず不必要な価格抑制を招くので、数円くらい高くても近所のサービスの良いお店で買った方がよい」
 と私は考えます。

 そういえば、数十年前の話になりますが、私の父も「ちょっとくらい高くても、窓をキレイに拭いてくれるガソリンスタンドに行く」と近所のGSを愛用していました。
 そのGSでは、キレイなお姉さんが窓を拭いてくれていた・・・というのは父の名誉のために内緒にしておきます。
 ・・・というのは冗談で。そのGSでは、オーナーの意向で女性スタッフしか雇っていませんでした。といっても、それで客を釣ろうというのではなく、当時、女性の就職が今よりもっと厳しい時代でしたので、少しでも働き口を増やそうという善意で。その心意気に応じた人が、お得意さんとなって通っていたそうです。

 そんな、ちょっといい話も「何よりもまず安いことが優先」だとなくなってしまうのではないでしょうか。

安川クリニック

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安川 十郎

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