「厳しい」の反対は「優しい」…ではない
- 2025.04.30
「名医でなくとも良医になりたい」なんて陳腐なセリフがありますが。(良医目指す宣言している先生、ゴメンナサイ)良い医者って、どんな医者でしょう?
的確な診断ができる医者? 卓越した技術を持った医者? 患者に寄り添った診療ができる医者?
あるいは、優しい医者?
例えば。
遅刻しても、宿題を忘れても、テストで0点を取っても、叱らず、笑顔で温かく見守ってくれる先生は、良い教師でしょうか?
好き嫌いが多く偏食しても、部屋が散らかっていても、1日中ゲームばかりしても、叱らず、したいことをさせている親は、良い保護者でしょうか?
患者が喫煙を続けていても、生活習慣を改めなくても、薬の飲み方がいい加減でも、必要な検査を拒んでも、笑顔で診療を続ける医者は、良い医師でしょうか?
患者が欲しがるままに、鎮痛剤、睡眠薬、抗生剤、湿布、ビタミン剤を処方してくれる医者は、良い医師でしょうか?
違いますよね?
以前、内科のK先生に教えてもらった言葉があります。
「厳しい の反対は 優しい ではない」
「厳しい」の反対は「甘い」です。
「優しい」の反対は「冷たい」です。
子供に躾をしない親は、「優しい」のではありません。「甘い」のです。そして、叱るのが面倒な「冷たい」保護者なのです。子供の将来を考えれば、面倒でも、嫌われても、知識、教養、社会性を身に着けさせる必要があります。
「厳しい」と「優しい」は両立できるのです。
医者も同じく。
嫌な治療はせず、欲しい薬を出してくれる医者は、「優しい」のではなく、「甘い」そして「冷たい」医者です。患者に煙たがられても、必要な治療を勧め、不要な薬を出さない医者は、「厳しい」そして「優しい」医者なのです。
しかし、生徒に人気なのは、甘い教師。子供が大好きなのは、甘い親。口コミなどで評価が高いのは、甘い医者。・・・になるでしょう。
あなたの先生は、親は、担当医は、
厳しいですか? それとも、甘いですか?
優しいですか? それとも、冷たいですか?
あなたのことを真剣に考えてくれる人は、あなたに厳しく、優しく、なるはずです。
表面的な、人気、評判、口コミなどに惑わされないよう、お気を付けください。
追記
国語のテストでは、「厳しい」の反対語は「優しい」で正解です。念のため。