喫煙者は 良いお客さん なのカモしれない
- 2024.06.30
ご存知の人もいるかもしれません。今月6月に診療報酬改定がありまして。医療費やルールが大きく変わりました。その中の一つ、高血圧症、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病で治療を受けている方には、診察時に患者と対話しながら、治療の必要性や生活習慣改善の指導内容を記載した『療養計画書』を作ることになりました。5分程度で書けたとしても、10人診れば1時間くらい待ち時間が増えます。いつもは空いている当院も、さすがに待ち時間が発生しました。
そこで改めて気が付いたのですが。
喫煙者の診察は楽チン である
まぁ以前から思ってはいました。
治療に熱心な患者の診察は時間がかかります。きちんと血圧を測ってきますし、薬の利点欠点に関心があります。血液検査の結果も熱心に確認しますし、薬の内容や治療方針についてもしっかりと説明を聞き、悩み、決断されます。当然、療養計画書を作るのにも時間がかかります。
ひるがえって喫煙者。そもそも治療効果を上回る体に悪いものを摂取しているのですから、病院に来ているのも「何となく」で、モチベーションは低めです。薬や治療方針については「いつもの」or「任せます」で自主性はありません。療養計画書も関心がなさそうで。唯一、禁煙指導に触れるときに苦笑いする程度でしょうか。すぐに作れてしまいます。
ちなみに、診察費用はどちらも同じです。つまり、診察に手間のかからない喫煙者に来てもらった方がコスパがよろしい。しかも喫煙者は、今後いろいろな病気になってくれる可能性が高く、太客、お得意様と言えます。
というわけで、当院はこれから、積極的に喫煙者を患者様としてお迎えすることに・・・・
と、言いたいところですが。
覚えていらっしゃいますでしょうか。私がこの仕事を半分趣味でしていることを。
自ら治る気のない患者に、あるいは治したいけど禁煙するつもりはない患者に、病気を予防する意義や、薬・検査の説明をするのは大変むなしい。タバコの害に対して、凡医の治療効果など蟷螂の斧なのですから。喫煙者がタバコをやめてくれた時の喜び、やりがいは捨てがたいものがあるのですけど。もうそんな熱意は残っておりませんで。自らも健康であろうとする意思のある患者と、穏やかに医療にかかわりたいと思っています。
なので。
やっぱり。
タバコを吸われる方は、当院などではなく、名医や熱意を持った医者にかかることを強くお勧めします。