印象に残っているセリフ その3
- 2024.05.31
映画、漫画、インタビューなどで、今でも心に残っている台詞がいくつかあります。例えば。
私の両親はいわゆる団塊世代で、日本の高度経済成長期を支えてきました。そのせいか「夢を持て!」「目標を持て!」と育てられました。「けん玉でもいい、ゴミ拾いでもいい!何でもいいから一番になれば食っていける!」と。
幼少期から少し拗ねていた私は「あぁ、勉強やスポーツでの一番はもう期待されていないのだな」と少し寂しく感じていました。そして、当時は何となく含蓄のある教えのような気もしていました。
が・・・その後、知りました。いやいや、けん玉日本一なんて、その頂きたるや、軽々しく目指せるものではありません。ゴミ拾いで一番を舐めていはいけません。スポGOMIという競技がありまして。やはり一番になるのは並大抵ではありません。
私の場合、その後、医師を目指すことになりましたので、約10年間、医師国家試験という目標に向かって進むことになりました。医師免許取得後は、職務に忙殺され、夢や目標など考えるヒマがありませんでした。
そして、家庭を持ち、人の親となり、私自身が子供に「夢を持て」「目標を持て」と言っていることに気が付きました。これと言って具体的な長期目標がない子供たちが歯がゆく感じたのです。しかしよく考えれば、私のように高校生くらいで職業を決めてしまう人間の方が稀です。
また、ひるがえって自分。「大東市の平均寿命を短くしたい」などと大層な目標を掲げていますが、「目標を持たねばならない」という義務感があったことは否めません。
子供に押し付けるのも、自分に押し付けるのも、しんどく感じるようになっていました。
そんな時。
姫様 “拷問” の時間です
えらく不穏なタイトルですが、アニメ化もされたコメディ漫画です。ご安心ください(?)
タイトルに反してほのぼのハートフルコメディで、いわゆる飯テロ漫画でもあります。(飯テロ:ダイエット中や深夜には避けるべき画像や映像)
この作品、登場人物のセリフに名言が多いのですが、今回、とくに強く心に響いたのが。
夢はあるとステキだけど なくても楽しいよ
言葉通りです。
でも、夢を持てと育てられ、夢を持つよう教えてきた私にとっては、目から鱗でした。肩に荷が下りた気がしました。
夢は、少なくとも強制されて持つものではありません。無理やり捻り出すものでもありません。自然にできるまで、日々を誠実に過ごせば問題ありません。ただし、夢ができたときに備え、仕事でも勉強でも遊びでも、知識や経験を積み重ねておく必要はあると思います。