印象に残っているセリフ その5
- 2025.10.31
映画、漫画、インタビューなどで、今でも心に残っている台詞がいくつかあります。例えば。
十二大戦
子・丑・寅・卯・辰・巳…干支の名を冠した12人の戦士のバトルロワイアルを描いた西尾維新氏のライトノベルです。
ちなみに、私が尊敬する作家は、西尾維新氏、森博嗣氏、有栖川有栖氏の3人。なんとなく私の嗜好がバレそうですね。「好きな作家」だけでなく「尊敬する作家」であるのは、影響を受けた作品が明確にあるからです。『科学的とはどういう意味か(森博嗣)』『妃は船を沈める(有栖川有栖)』と、この『十二大戦』になります。残りの2冊については、また別の機会に。
今回ご紹介するのは、丑の戦士のセリフ。圧倒的な強さを持つ丑の戦士は、その正しさ強さの理由を問われ
「まず正しいことをしようとするだろう? 次に、正しいことをする。以上だ。」
と答えます。
「正しいことをしない理由は、無数にある」「しかし、正しいことをしないのは、できないのではなく、やならいだけだと自認する必要がある」
「なんとなく間違ったり、無意識に悪さをすることはあるが、うっかり正しいことをすることはない」「正しいことをするには正しい意志が不可欠。悪事と違い、正しいことは、意識的にしようと思わなければできない」
「①すると決めて、②する。①の段階で留まって②に進まないのは愚の骨頂」
と、ド正論が続きます。実はもっと言葉豊かに語られているのですが、さすがに丸ごとコピペするわけにもいかず。原作を読んでもらいたいものの、西尾維新氏のライトノベルは万人に勧められる書籍ではないのが悩みどころ。
ともかく、私が感銘を受けたのは、その簡潔さ。
「①するべきことを ②する」
確かに、たったそれだけのことなのです。大抵の場合、人は、するべきこと、すべきではないこと、が分かっています。「目の前の仕事を今済ませるのか、後回しにするのか」「ケーキを食べるのか、我慢するのか」「落ちている財布を警察に届けるのか、自分のものにするのか」「片づけるのか、ほったらかしにするのか」「困っている人を助けるのか、見て見ぬふりをするのか」「煙草を吸うのか、禁煙するのか」
どちらを選ぶことが自分のためになるのか、分かっているのです。にもかかわらず、しない。できないのではなく、しない。何かと理由をつけて。自分のことなのに。なんと、もったいない。
このことを自認して以来、明らかに「①するべきことを②できた」回数が増えました。そして、まったくもって当たり前のことなのですが、「①するべきことを②しなかった」場合よりも、充実した人生を送れていると確信できています。
