同性婚と〇〇婚
- 2023.11.30
現時点で私は同性婚に、ゆるやかに反対です。
「現時点で」というのは、これから考えが変わるかもしれません。
「ゆるやかに」というのは、積極的に反対行動に出るほどではなく、認めることになれば、そのルールに従います。例えば、「欧米に合わせて入学式を9月にします」と言われれば、気持ち的には反対でも、決まってしまえば受け入れます。
私が同性婚に賛成しないのは、男女間の婚姻が法で保護されているのは、国民を増やすことを目的にしていると考えるからです。
例えば。あなたはサファリパークの管理を任されています。ライオンエリアで、雌雄のカップルができているのを見つけました。あなたは早速、2匹が休めるプライベートエリアを作り、栄養価の高い餌を与えることにしました。もし子供ができたら、さらに配慮が必要になります。さて、向こうを見ると、雌雌のカップル、雄雄のカップルができています。経営上あまり好ましくありませんが、仲を裂いたりはしません。ただ特別扱いもしません。
子孫を増やすためには、一対一の雌雄を保護することが効率が良いと考えられます。
よく言われることですが、愛し合う人々を無条件に法で保護する、と言うなら、近親婚や重婚も認めるべきではないでしょうか。姉妹婚、兄弟婚、一夫多妻、多夫一妻も同様に。(財産贈与や国籍問題も生じますがここでは割愛します) あるいは、二次元婚、異種間婚、近未来ならAI婚も同様に。
結局、同性婚が認められつつあるのは、それが普遍的に正しいからではありません。その認知数が一定数を超えたからです。もし、同性婚を望む人が世の中に10人くらいしかいなかったら? その“正しさ”が認める理由なら、人数によらず認めるべきです。しかし問題にもならないでしょう。
私が同性婚に賛成しないのは。ひょっとしたら。
程よい数のマイノリティを擁護することで、ちょっと意識が高い系の素振りをしている人々への嫌悪感かもしれません。姉妹婚や多夫一妻はマイノリティ過ぎて、応援してもいい気分が味わえないから擁護しないだけでは?と邪推しています。
TVのインタビューで「同性婚を認めても誰も不幸にならない。幸せなカップルが増えるだけ」と訴えている人がいましたが。それは、二次元婚でも異種間婚でも同じです。
繰り返しますが、今後、同性婚が認められるとしても、それは“正しさ”からではありません。例えば世の中の道具や設備の多くが右利きに便利にできていますが、それは右利きが正しいからではありません。右利きが多いからです。
なので、「最近、同性婚を求める人々が一定数を超えたので、これを法で保護することにしました」と言われれば、受け入れやすかったかもしれません。
ところが、「同性婚を認めないのは、人権を尊重しない、前時代的な間違った考え方だ」と言わんばかりの論調がみられます。多様性が謳われる時代なのに、ことマイノリティ擁護問題となると、その反対意見は人権無視、旧い、間違っている、とのレッテルを張られがちです。
そこで、「じゃあ、なんで兄弟婚や一夫多妻は認めないんだよ」となってしまうのです。
もし、同性婚の法的保護を求める人々が、「もちろん同性婚だけでなく、近親婚、重婚、多夫多妻、異種間婚、二次元婚、AI婚、すべての愛情行動が法で保護されるよう活動を続けます」と訴えるなら、その主張の一貫性に敬意を払います。もし、一対一の同性婚「だけ」要求するなら。あんまりエラソーな物言いはしないでほしいなぁ、と思います。