安川十郎「健康寿命が長い」「平均寿命と健康寿命の差が少ない」ことを誇れる地域にするのが私の夢です。

囚人のジレンマ

  • 2022.02.27

 私の好きなロジックの一つに「囚人のジレンマ」というものがあります。概要は以下のようになります。

 共同で犯罪を犯したと思われる囚人A囚人Bが捕まりました。しかし明確な証拠がないため、検事はそれぞれを別室に隔離し、司法取引を持ちかけます。
 「2人とも自白すれば、それぞれ懲役5年になる」
 「2人とも黙秘した場合は、それぞれ懲役2年になる」
 「片方が自白し、片方が黙秘した場合、自白した方は釈放、黙秘した方は懲役10年になる」
 つまり、本来合計10年の刑を2人で負担せねばならないところ、どちらも黙秘すれば合計4年で済むのです。
 しかしながら。例えば囚人Aの視点で考えてみましょう。
 「もしBが黙秘したとしたら。俺も黙秘すれば懲役2年、俺が自白すれば釈放だ」
 「もしBが自白したとしたら。俺が黙秘すれば懲役10年、俺も自白すれば懲役5年」
 「おや。Bがどうするにせよ、どっちの場合でも俺は自白した方が得じゃね?」

 結局、囚人A囚人Bが赤の他人である場合、ゲーム理論的には2人とも自白することが最適解となります。

 さて。
 条件が変わり、この囚人A囚人Bが家族や友人であれば、どちらも黙秘という選択肢もあり得ます。その要因は「信頼」であったり「懲役後の人間関係」であったりします。
 そして、日本という国は、その「信頼」や「人間関係」を大事にする国だと思うのです。囚人のジレンマを乗り越えている国だと思うのです。

 例えば商売でも、粗悪品を高値で売った方が利益が出ます。しかし、皆がそんな商売を続ければ、製品の質は劣化し、信頼関係は崩れ、業界全体が衰退していくことになるでしょう。個人では得が取れないように見えても、良い製品を適正価格で販売した方が囚人のジレンマを克服できるのです。
 安易なコピー商品や、著作権侵害、転売も同様です。一見、個人個人では得をするように見えても、結局皆で損をすることになります。

 日常生活でも。
 だれも通りかからない赤信号。個人から見れば、立ち止まっているのは単なる時間の無駄です。でも、「赤信号は止まる」というルールを皆が徹底することで、勝手な判断で信号無視をすることを防ぎ、交通事故を減らすことができます。
 お酒を買う時の年齢確認。どう見ても50歳以上の中年に「20歳以上ですか?」と問うのは意味がないようにも思えますが、全員に確認することで、18歳や19歳にアルコールを販売することを防げます。

 電車で体力のない人に席を譲ること。緊急車両が近づいたら道を開けること。良心的な商売をすること。ゴミを分別回収すること。少し不便を我慢をすること。
 そんな、犯罪として取り締まるほどではないけれど、皆が協力できれば社会が良くなりそうな囚人のジレンマの数々。日本人全員が克服しているとは言えませんが、その割合は世界最高水準なのではないでしょうか。今後もその状況が続くことを望みます。

 ちなみに、この囚人のジレンマ。ゲームとして考えたときに、1回のみなのか、複数回なのか。複数回の場合、回数が分かっているのか分かっていないのか、で最適解が変わる、意外と奥の深いロジックとなっています。

安川クリニック

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