安川十郎「健康寿命が長い」「平均寿命と健康寿命の差が少ない」ことを誇れる地域にするのが私の夢です。

新型コロナ感染症に対する私見04

  • 2021.11.29

 当院でも毎日のように陽性者が続出し、どうなる事かと心配した第五波のあと、新型コロナ感染症は急激にその感染者数を減らしました。本当に突風のような出来事で、抗体カクテル療法への窓口がようやく確保されたところで、拍子抜けするほどでした。

 この記事を書いている時点で、日本の新規感染者数は「全国」で二桁程度。もはや見つけるのが難しいレベル。当院でも検査数自体が激減し、感染者数0の日が続いています。感染症が疑わしい患者を院外テントで診察する、いわゆる有熱外来を続けるか悩んでいます。手間ヒマがかかりますし、患者側の費用負担も発生するからです。

 しかし諸外国に目を向けると、感染者数は過去最悪を更新している地域もあり、日本の感染者数減少はミステリーとさえ言われています。確かにその原因、様々な推測がなされていますが、どれも決め手に欠けるようです。
 ウイルス自滅説や、日本人の国民性が理由だとする説。mRNAワクチンが効果的だったする説や、ワクチンの接種率が低かったのを挽回するため慌てて予防接種を進めたことによって、短期間に集中的に免疫を獲得できたことが封じ込めに繋がったとする説。などなど。
 個人的に推すのはやはり国民性。感染者数が日本全国で二桁になっても街中でマスクを外している人は稀です。また、日本は先進国の中では各種予防接種率が低く、ワクチン後進国のレッテルを貼られていますが、だからこそ、当初から新型コロナワクチンを接種しない人々への配慮を怠りませんでした。その時の丁寧な説明が、いざ接種を始めたときの予想外の接種率の高さに繋がったのだと思います。

 もう一つ。これも国民性なのですが、ワクチンの取り扱いも一因ではないかと。とくにファイザー社製mRNAワクチン「コミナティ」は取り扱いが非常に煩雑。超低温保存が必要、強い衝撃を与えてはいけない、解凍後は2~8℃で保存、希釈後は6時間以内に使い切る、1バイアル6人分、間隔は3週間。当院でも冷蔵庫に温度計を添えて腫れ物のように取り扱いました。電車のダイヤが秒単位の日本では可能でも、他の国ではここまで厳密な運用はできなかったのではないでしょうか。保管庫内の温度が数度でも上回った可能性があれば何万本でも廃棄する生真面目さは、今回はプラスに働いたのではないかと。
 この視点は今までなかったでしょう。と自画自賛。念のためネットを検索してみたら・・・・すでに同じような見解がありました。かなり突飛な発想だと思ったのですが。

 世界ではオミクロン株なる新型株が猛威を振るいつつあるようです。このまま日本は新型コロナの収束を迎えることが出来るのか。たまたま生じたエアポケットに過ぎないのか。もし前者なら、その原因を突き止めることが、世界のコロナ感染を収束させる糸口になるでしょう。もし後者なら・・・・もう一踏ん張りせねばなりません。

安川クリニック

院長

安川 十郎

診療科目

内科・在宅診療

住所

〒574-0022
大阪府大東市平野屋1丁目3-9

電話番号

072-889-3209

FAX番号

072-889-3210

アクセス

JR学研都市線住道駅より徒歩15分
休診日:土曜日午後・日曜日・祝日
9:00~12:00 訪問
13:00~16:00 訪問 訪問 訪問 訪問 訪問
17:00~19:00 訪問