印象に残っている台詞 その1
- 2021.10.25
映画などで、今でも心に残っている台詞がいくつかあります。例えば。
忍者ハットリくん THE MOVIE
藤子不二雄の漫画「忍者ハットリくん」を香取慎吾主演で2004年に実写映画化した作品です。以下、ネタバレを含みます。また、昔のことで記憶違いがあるかも知れません。
劇中のクライマックス。伊賀忍者のハットリくんは、主君であり友達であるケンイチを守るため「主君以外に姿を見られてはならない」という忍の掟を破ります。その結果、ケンイチは助け出せたものの、掟を破ったハットリくんはその決まりに従い忍者の里に帰ると言い出します。ケンイチは納得できません。「友達を守るために掟を破ったのに、なんで里に帰らないといけないの?何のための掟なの?」「掟、掟って。掟と僕とどっちが大事なの!?」とハットリくんを問い詰めます。
「そうなんだよなぁ」と、私も同じように考えていました。ちょうど当時、古い慣習や過剰な校則が問題となっていまして。ある目的のために作られたルールだったのに、いつの間にかルールを守ること自体が目的になっているような。ハットリくんの場合でも、もし掟を守って主君を助けられなかったら本末転倒です。その判断は間違ってなかったわけで、正しいことをして処罰を受けるのはおかしいのではないか。きっと忍者の頭領が出てきて「世の中には掟より大事なものがある」とか何とか言って、「お咎めなし」になるんだろうなぁと予想していました。
しかし、ハットリくんは…
「掟だから守るのではござらん。拙者が守ると決めたから守るのでござるよ」
と言って里に帰って行ったのです。(まぁ結局はお咎めなしになるのですけど)
他人の決めたルールに渋々従っていた私にとって、この台詞は衝撃でした。
私が嫌々ながらもルールに従っているのは、自分にとってその方が得だからです。多少納得できなくても、罰則を受けたり、輪を乱すよりは、そのルールを守っている方が自分に有利だと判断しているからです。そんな後ろ向きな考え方ではなく、押し付けられた禁止事項の数々と捉えず、自分が守ると決めたいわば「約束」として尊重する。そんな、自分の選んだ道に責任を取る姿が、ものすごくカッコよく感じました。
それからは、ルールや規則に対する考え方が変わりました。娯楽作品の一コマにすぎませんが、私の人生に少なからず影響を与えた台詞だと思います。