安川十郎「健康寿命が長い」「平均寿命と健康寿命の差が少ない」ことを誇れる地域にするのが私の夢です。

若年層への新型コロナワクチン

  • 2021.06.18

最初に断っておきましょう。
「個人の判断です」と定番の言い訳枕詞を使ってはいますが、ワクチン接種を推奨する文章です。

65歳未満へのワクチン接種が始まりました。「集団免疫」でお話しした通り、予防接種は個人の利益のためだけではなく、社会のためでもあります。そして、今回のワクチン接種は、とくにその傾向が顕著です。

若年層は、コロナ感染で重症化する確率は低く、社会的な影響は別として、他の疾患と比べてそれほど怖い病気ではありません。それに対して、ワクチンの副反応は出やすい傾向にあるようです。また、若者は活動的で集団行動が多く、感染を広げやすい条件も揃っています。
簡潔に言うと、若者達は「ウイルスを媒介するけど本人は重症化しにくい、そしてワクチンの副反応は出やすい層」ということになります。

つまり、若年層にとって、コロナワクチンの接種は「本人の命を守る」というよりは、「高齢者の命を守るため」「社会経済活動を維持するため」という意味合いの方が強いのです。

極端な解釈で「子供を社会のための犠牲にするのか」と言い出す人もいるでしょう。実際に抗議活動もあったようです。確かに今後、100万人単位で10代の若者にワクチン接種が進めば、稀に強いアレルギー反応が出ることもあります。絶対に安全、ではありません。
しかし、それでも。

医療関係者はもちろん、地位のある人、責任のある人はワクチンを接種すべきという意見に、多くの人が同意するでしょう。もし、総理大臣が、消防署長が、校長先生が、会社のトップが、「副反応が心配だからワクチン接種はやめておく」「新規のワクチンは不安だから他の皆が打ち終わってからにする」などと言い出したら、残念に思いませんか?
分かっているのです。責任ある人は相応の義務を負うことを。ワクチン接種すべきことを。
すなわち、「ワクチンは打ちたくない」と言える人たちは……ということも。

誰だって、痛い怖い思いをせずに、ゼロリスクで新型コロナの流行が終わってくれたら、こんなに楽なことはありません。そしてそれは、実現可能です。あなたやあなたの家族がワクチンを接種しなくても、いつか流行は収束します。ワクチン接種は個人の判断です。
しかし、これからの国を支える若者を中心に、多くの人々が社会の一員として行動することを強く望みます。強制ではなく、期待です。実は、意外と65歳未満のワクチン接種率は高くなるだろうと楽観しています。多くの若者も、コロナ流行による様々な不利益を実感体感しているからです。

若年層へは「コロナにかからないよう、あなた自身のためにワクチンを打ちましょう」ではなく、正直に「あなた自身のためではなく、コロナ流行を収束させるため、社会貢献としてワクチン接種にご協力ください」と呼びかけるべきだと思います。

安川クリニック

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安川 十郎

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