安川クリニック開院五周年

　令和7年7月3日をもって、安川クリニックは開院五周年を迎えることができました。これもひとえに私自身の努力の賜物だと胸を張って言えます。

　・・・今年も言えました。

　さて。以前から公言している通り、私はこの仕事を半分以上 趣味でやっておりますが、もちろんお金のためでもあります。人が仕事をする理由は、収入を得る目的以外にも、自己実現欲求、承認欲求、社会貢献欲求など様々なものがあるそうです。私の場合、「趣味：お金＝6：4」くらいでしょうか。

　・・・ですが私もそれなりの年齢になったせいでしょうか・・・

　昔、TV番組で見た記憶がある、格安で学生たちに大盛りメニューを提供している大衆食堂。採算が取れているか怪しい価格設定で、老夫婦が慌ただしく切り盛りしていました。「歳を取ると、損得勘定もできなくなって、この人たちの今後は大丈夫かいな」と、当時はちょっと上から目線で見ていました。
　しかし最近、雑誌か何かで「人間、歳を取ると、自分が美味いものを食うより、子供たちが美味いしそうに食べてるのを見てる方が嬉しい」という話を見かけ。なるほど、昔ほど肉が食いたいとも思えず、確かにそうかもしれない、と考えるようになり。
　もし、件の老夫婦が、さして食べられない自分の食事よりも、学生たちが腹いっぱい食べているのを見て、我がことのように喜べるのだとしたら。毎日、何人分もの腹いっぱいを味わうことができます。これほど幸せな老後は、そうないでしょう。また、私ごときが心配せずとも、この老夫婦に何かあれば、多くの学生・元学生たちが手を差し伸べるのではないでしょうか。
　人に施す人生のなんと豊かなことか。

　・・・なんて思いが頭をよぎることもあり・・・

　このままでは、来年の開院記念日に、「多くの人に支えられて6周年を迎えました」とか「やりがいは患者さんの笑顔です」とか、歯の浮くような台詞を投稿をしてしまわないかと心配です。