安川十郎「健康寿命が長い」「平均寿命と健康寿命の差が少ない」ことを誇れる地域にするのが私の夢です。

「進化」の反対は「退化」…ではない

  • 2026.05.31

 藤田和日郎氏の漫画「からくりサーカス」33巻で、主人公が「僕たちは進化している、反対に君は退化している」とからかわれた時のセリフ、「進化の反対は退化じゃない」。
 「厳しい」の反対は「優しい」ではない、と書いたこともありました。対義語なんて文脈・分野・解釈で変わわるますし、決めつけるものではないと思うのですが。少なくとも人類は、進化過程で、牙・爪・尾などを退化させています。それは、火や石器を使うことで鋭い牙や爪が必要なくなったからです。
 すなわち、他の動物が自らの体を変化させて対応してきたことを、人類は外部ユニットを使うことで、つまり道具を進化・多様化させることで、本来数千年かかる進化の過程を短時間で達成してきたと言えます。

 さて。
 その後も人類は道具を進化させ続け、自身は退化を続けています。
 車や船を発明したことで、筋力や心肺能力を退化させました。調理法の進歩で咬合力を退化させ、医学の進歩で繁殖力を失い、眼鏡を作って視力が退化し、天敵がいなくなって嗅覚・聴力が退化し。
 恐らく人類の身体能力は哺乳類最弱クラスではないでしょうか。
 「人間の格闘技はシマウマにすら通用しない」(出典:範馬刃牙)
 「人間は日本刀を持って初めて犬と対等」(極真空手創始者:大山倍達氏)(猫かも)
 少し話が逸れてしまいました。
 人類は、様々な能力を道具に代替させることで身体能力を退化させる代わりに、知性を獲得することで生物として進化したのだと考えます。

 そして。
 最近では、知性の分野まで道具に代替させ始めています。計算機を使って暗算能力が不要となり、ナビを使うことで空間認識能力が不要となり、スマホを使って記憶力が不要となり。
 とうとう。
 AIの進化で、人類が「論理的な思考」まで外部に任せることができるようになってきました。
 いったい人類はどこまで進化し、どこまで退化するのでしょうか?
 「このままでは、人間の発想や創作する力が無くなるのでは・・・」と心配する向きもありますが。
 今のところ、個人的には楽観視しています。

 車があっても人は走ります。カメラがあっても人は絵を描きます。AIに勝てなくても人は将棋を指します。人が便利な道具で代替させているのは、主に労働や単純作業であって、全てを機会任せにするわけではありません。やりたいことは、やるんです。
 人類は道具を使いこなすことで進化する生物なのですから、AIに論理的思考を補助してもらったときに、どんな進化を起こすのか興味があります。
 閃きや発想が進化するのか。新しい発見をするのか。群体としての思考に及ぶのか、個に収束するのか。ニュータイプに覚醒するのか。

 ただし、車も酒も刃物も火も、簡単には子供に使わせるわけにはいきません。健全な発育のため、その危険性を理解するため、道具を使い始めるにあたり年齢制限は必要だと思います。そういう意味では、SNSの年齢制限にも賛成です。

 いつも以上に言いたいことが 取っ散らかってしまいました。というより、書いているうちに趣旨が変わり、「進化の反対は退化ではない」→「人類は身体を退化させる代わりに道具を進化させて繁栄してきた」→「AIの進化で人類がバカになる心配はいらないんじゃないか」→「SNSの年齢制限に賛成」となってしまいました。さすがにここまで変遷するとまとめることができず、今回はこのまま掲載します。

 ちなみに、「進化の反対」は、「からくりサーカス」作中のセリフでは「無変化」でした。私としては「不変」や「停滞」ではないかと考えます。
 ちなみに、国語のテストでは「進化」の反対は「退化」で正解です。

安川クリニック

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